吉野源三郎の同名書籍「君たちはどう生きるか」のアニメ化と思って見始めたら千と千尋やハウルのような不思議な世界観で描くオマージュ作品でした。
これまでの宮崎駿は頭の中を断片的に切り出してパッケージ化して作品にしてたけど、もっと広い範囲を垂れ流しつつ大きな括りでまとめた感じなので集大成のような印象を受ける。
わかりづらいようで多くの教訓が含まれていて、世界の成り立ちと生き方が描かれてている。これは宮崎駿が描く教典(または神話)なんじゃないかな。
宮崎駿が描く季節違いの花が咲き誇る庭が好きだ。
以下、ネタバレ
この世は悪意に満ち溢れているけれど、閉じこもっていないで、良き友と一緒に前を向いて歩いていこう。
そんな話。
キーワードは石(意思)とサギ(欺瞞)。
自分が思春期の頃、世の中を憎み拒絶していた感情を思い出した。
この感情との関わり方次第で評価の分かれる作品じゃないかな。
乗り越えた人は「わかるー」となるし、向き合っている人は元気をもらうかもしれないし、受け入れられないかもしれない。
そんな感情を持ったことがない人は、「意味わかんない」となるかもしれない。