Yuuka

君たちはどう生きるかのYuukaのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.3
珍しく宮崎駿作品を鑑賞

わたしはマルチバース信じる派で、瞬間分岐や複数軸の世界もあると思っているんだけれど、同軸の世界線だけじゃなくって、上下で表わす縦軸の世界線も描かれていて。
そうだよね、この世界って、わたしたちが生きている日常って、それ自体はシンプルだけれど複雑なものだよねって。そんな複雑な構造をもつこの世界で、この父と母の元に生を受けた事、わたしの家族として生きている事、あの日キラキラした思い出を作った友人、今出会えている周囲の人、これから偶然を共にするかもしれない人や生物と時間を共にすること、当たり前の事だと認めすぎているけれど神秘的な事。
なのに、私たちは「もしこう生まれてたらどうだったのかな」とか「他の世界線だったらどんな人生なのかな」とか、もしもの世界に惹かれてしまう。辛い事や醜いことだらけな世界であるのも確か。誰しも一度は自分の生き様に立ち止まる事があると思う。けれどひとつひとつの選択を選ぶのは自分自身。今この瞬間はシンプル。生きる意義や使命を全うするも良し。わたしも、もしもの世界を想像して恋しくなってしまう日もあるけれど、今を生きるこの世界線を愛して、生きようって思った。わたしの目の前の人や日常に素直に向き合いたい。

複数の多重世界線ってやっぱりあると思うんだ。そして記憶や夢ってその事に何か関係してると思うんだ。
幼き頃のお母さんとわたしが出逢ってるかもしれないとか、青春時代のお父さんとすれ違ってるとか、未来のパートナーと他の世界線でも繋がっているとか。
わたしの記憶にはなくても、無意識などこかで繋がっているような、この世界はそんな信じがたい事があってもおかしくないと思うの。それに、その方が楽しいし素敵だなってわたしは思う。
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作品はやっぱり深みがあって素晴らしかった。抽象的なストーリーをこんなに密な映像にするジブリ作品は圧巻。それに加えて米津玄師の「地球儀」が感動を倍増させている。
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