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君たちはどう生きるかのhsnのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.0
開始5分、タイトルが出てくるまでの時間で、すでに鳥肌が立った。演出、映像、音楽、全てが素晴らしかった。

宮崎駿監督の"集大成"を感じた。今までのジブリ作品を思い出させる(オマージュ?)かのようなシーンやモノ、人が迸っていて懐かしささえも感じる。

全部が全部、理解できるシーンとは言い切れないが、それでも、それぞれの「生」、自分の「生」、「役目」みたいなものを考えさせられた。
生きていたら、自分にとってマイナスなこと、負の方に引き連れていこうとする人など、出逢わなければよかった人は沢山いるし、嫌な事、酷い事に遭遇することの方が多い。
だが、それでも懸命に、真面目に、優しく、強く生きていたら、自分を応援してくれて助けてくれる、心優しい人が必ずどこかにいる。
だから、混沌とした生きづらい世界でも、ちゃんと生きていける。
そんな自分を守ってくれる人のために、自分はどう生きるのか、自分の役目とは何なのか、考え続けて生きていきなさいと、この作品から教えられた気持ちになった。

大叔父が、宮崎駿監督と重なった。ご自身を表現されたのではないかと感じた。
そして、主人公の眞人こそ、この作品を見た私たち。天国みたいな幸せだらけの世界を選ばずに、争い事が絶えない酷くて苦しい現実世界で、何かを抱えながら、葛藤しながら生きている人たち。
眞人みたいな人であってほしいという宮崎駿監督の「願い」かもしれない。

これからを懸命に生きる人、若者に伝えたいこと。そしてこの世界で生きている多くの人たちへのエールと答え。宮崎駿監督の思いをぎゅっと詰め込めんだ作品と思う。

賛否両論あるが、百人百通りの意見があってこそ、傑作と言える。
見終わった今、不思議な読後感に包み込まれている。
さすが宮崎駿監督。さすが久石譲様。
見事な作品でした!この時代に鑑賞できたこと、感謝です。
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