このレビューはネタバレを含みます
まず、音響トラブルで映画が停止、巻き戻しになったというレアな状況に遭遇したことはある意味ラッキーだった。(200円返金されました)
映画の内容でいうと
アニメーションの部分ではところどころ、他のジブリ作品の面影が見えた。
たとえば、森の草むらのトンネルを潜るところはトトロ、扉を開けたら世界が変わるのはハウル、お手伝いさんのビジュアルは千と千尋、床が溶けて死の世界にいくのはナウシカ、最初の住民の消火活動は火垂るの墓っぽいし、メインキャラの雰囲気はコクリコ坂を感じた。
ジブリ作品のいいところとして、「境目」を曖昧にするのがいつも上手だなって思ってて
未来と過去、人間と動物、一般人と王族、影と光、魔女と人間、海と陸とか….
対極にあるものが、いつのまにか交わっていて
映画を見終わった後に、自分たちが生きてる世界にもひょっとしてみたいなロマンを感じるところが素敵だなって思ってた。
でも今回は、境目が結構はっきり描かれてて、そこの部分はあまり魅力的には感じなかった。
境目がはっきりしてると、ストーリー的に突拍子もない世界観に放り込まれることになるから、見てる側からするとドキドキ感とかワクワクがなくて、いままでジブリに同じ期待を抱いてる人からすると、ちょっと不満に思いそう。
鳥が喋りそうな世界観には見えなかったし、どっかのアタマがお花畑な女の子が猫と話すのとは、事情が違う感はある。
ストーリー的に肝になるのは、夏子の動きになると思うんだけど、一個気になったのは「なぜ夏子は死の世界で子供を産もうとしていたのか」というところ。
寝室に、2本しか入ってないタバコがあったと思うけど(まひとが盗んだやつ)、あれが夏子が吸っていたものだとすると、実は子どもを産む気もなかったのかなと思った。(2本以外は吸ってあるので)
死の世界で産むということは、=生まれた時から死んでるってことだから、現世で生かす気はなかったのかなぁ。
多分最初は産む気だったかもしれないけど、まひとの心を開かない様子とかをみて、子どもを育てることに自信がなくなったり、自分の余裕のなさを感じたのかも。
そんなことで?!って思うかもしれないけど、出産前ってひょんなことでめちゃくちゃ嫌になったり、不安になるものだと思うから(男性なので実体験ではないが)、そういう考え方もあるのかなと思う。
あと、インコ可愛い。絶対製作陣に鳥マニアいるだろ。