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君たちはどう生きるかのeのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

映画が始まって5〜10分くらいで最初に感じた感情は、亡くなった奥さんの姉妹と思われる女性と再婚して、しかももう妊娠までさせている父親、気持ち悪い。え、もしかしてとても似てるだけの他人だったりする?奥さんのことが忘れられなくて似ている人と再婚した?という期待も残しながら観たけど結局、亡くなった奥さんの実の妹だった。むり。笑

ポスターの鳥、もっとクールな感じの味方をイメージしてたけど、最初に発した声がめちゃきもくて、人間になった姿も想像の正反対で、ポスターからは全然想像できない姿でした。笑

向こうの世界で現れたヒミがおそらく若い頃のお母さんなんだろうな、というのはなんとなく登場したあたりから察してしまって、最後まで観たらやっぱりその通りだったんだけど、自分の息子が自分の妹を「ナツコ母さん」と呼び始めて、しかも目の前には自分の夫の子どもを身ごもった実の妹、という最悪の状況で、「元気な子を産んでね」って声をかけたりしてにこにこ去っていくお母さんのメンタル、やばすぎないか?と思いました。

雰囲気としては今までのジブリ作品の要素てんこ盛りっていう感じで、ずっといろんな作品を連想しながら観てました。
戦争シーンは火垂るの墓、昔の街並みはコクリコ坂、こちらの世界の塔のあたりはマーニー、草むらをかき分けて行く感じとわらわらのコダマ感はトトロ、扉ごとに向こう側にいろんな世界が広がっていたり水辺の草原の中にぽつんと小屋がある感じはハウル、大きな虫がたくさんいるところの冒険はアリエッティ、インコの群れと王様の感じは猫の恩返し、石の壁が光りながら移動していく感じは耳すま、神隠しにあって向こう側で出会った人と絆を深める感じは千と千尋、巨大な石が浮いてる感じはラピュタ、たくさんのおばあちゃん達は歴代作品のおばあちゃん達とかもののけ姫のおじさんの顔を思い出しました。

宮崎駿の最後の作品だから今までの要素全部入れたかったのかな、、どういう意図だったんだろ、、

タイトルから、現実世界を舞台にしたお話をイメージしていたけど、お話の中身は概ねファンタジーでした。
わたしは基本的にファンタジーが好きなので、嫌いではないんだけど、この作品は全体的に脈絡のない展開が多い気がして、白昼夢感が強くて、期待を超えるほどの感動はなかったな、と思ってしまいました。ジブリだいすきなのに。宮崎駿監督作品だいすきなのに。
今までのジブリ作品を通して、宮崎駿監督作品はすきで、それ以外の監督作品(吾郎とか高畑勲とか)の作品はそうでもないな、と感じることが多かったんだけど、今回はゲド戦記とか、駿以外の監督作品を観たときに感じる不完全燃焼な感情に近かった。久しぶりの宮崎駿監督名義に期待値を上げすぎてしまったかな。

ナツコさんがどうしてあそこに向かったのか、青鷺男がどうしてお母さんの偽物を作ったのか、マヒトはどうして自分で傷をつけたのか、どうしてお母さんだけ向こうの世界で違う名前で呼ばれていたのか、インコの王様はどうして積み石を積むことを裏切りだと思ったのか、本当のところはわからないままのことがたくさん。
もう一度観るなら、わからない裏側の設定を知った上で観たいです。
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