Ya映画鑑賞

君たちはどう生きるかのYa映画鑑賞のネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

2023.35

あと何回、映画館でジブリブルーを観られるだろうか。

宮崎駿が、「俺たちはこう生きた。そして君たちは、どう生きる?」って聞いてきている気がした。


1回目観て、しばらく感想まとまらんかったけど、とりあえず思ったのは、「千と千尋」みたいだなと。
とにかくどの絵も絵画になるくらいの細やかさと美しさと芸術性と完成度。
そして、特に最初のシーンの躍動感スピード感。

あと、過去作品のオマージュが多くて、「ああ、宮崎駿、ほんとに最後なんだな…」って思ってしまった。


2回目は、少し色々わかった状態で観られたから、より心に沁みた。

・まず音楽がすごい。従来のようなメロディックな音楽はつけずに、ピアノの単音だけとか。

・大叔父様を宮崎駿と重ねた時、あの不思議な世界は宮崎駿が人生を懸けて築いてきたジブリの作品世界そのもの。

眞人はその世界に閉じこもることを選ばず、自分の悪意を直視して、現実世界と向き合うことを選ぶ。

絶対に正解はないけど、老いて飛べないペリカンとか、ラストであっけなく崩れゆく世界を観ていると、泣きそうになる。

・自分の悪意と向き合うことを知り、友達をつくって、これからの戦後の世界を生きて担っていく、眞人。
その先を描かないのは、宮崎駿らしいなと。
ポルコとジーナのその後を描かなかったように。
千尋のその後を想像に委ねたように。

眞人はどう生きたかを想像することで、
私たちは「じゃあ自分はどう生きる」とそのまま自分に問うことになる。




正直、まだまだ深く考えてみたいし考えられる映画だけど、とりあえずこの辺で。
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