拓馬

マダム・ウェブの拓馬のネタバレレビュー・内容・結末

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

映像面でいえば、ジェシカジョーンズ制作にも携わっているSJ・クラークソン特有の、ジワッとした脂汗の滲むような質感表現は流石であった。

本作のヴィランもキルグレイヴを想起させる、他作品には類を見ない圧倒的絶望感に加え、武力行使では全く敵わないと思わせる重厚感も絶妙。
反面、撃退方法の大概が車で轢き倒すばかりなのは一辺倒で退屈だった。

終盤にかけてはアイアンマン3のラストを連想させる花火的演出、ヴィラン側のモニター越し索敵感がバットマン風、スパイダーセンスを彷彿とさせる危険予知、明言こそしないがアメコミ作品へのリスペクトを汲み取れる描写にテンション上がった。

以降は酷評に入るが、キャシーウェブの心情変化に説得力がない。単独でペルーに行くな。
生い立ちや言動に関しても、形式的には一貫性を持たせてはいるが、物語の展開スピードと並行できてない印象が強く、ティーンエイジャー3人を家族と呼ぶには根拠が薄いように感じた。

ベンも後半急に役立たずの木偶になるし、エゼキエルの行動指針となる深掘りもほぼ皆無。挿入曲もセンスない。ミステリーサスペンス?と呼ぶにはあまりに杜撰な出来。
マーベルお得意のプロット的進行にもイマイチ没入できず、所謂MCU疲れと揶揄されても仕方がない、前評判通りの作品だった。

特筆点として、いつものマーベルは敵を倒す事にフォーカスするが、本作は「守る」事に重点を置いてるのは新鮮だった。
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