ヒラツカ

シティーハンターのヒラツカのレビュー・感想・評価

シティーハンター(2024年製作の映画)
2.9
ジャンプ読み始めたのは10歳くらいからで、そのころにはすでに連載は終わってたし、小さい頃にアニメ観る習慣もなかったから、ちゃんと通ってきたことがない。またこういう「劇画調」っていうんだろうか、『ゴルゴ13』とか『島耕作』に類するような作画が、どうも趣味じゃないんだよな。そのため、ぜんぜん読んだことなかったから、漫画原作を実写に立ち起こした場合に必ず発生する不寛容な精神は、今回は僕にはいっさい現れなかった。また、世間の評判としても、そこまで叩かれてはいない印象なのだけれど、どうでしょう。そしてたぶんそれは、主演の鈴木亮平の、デ・ニーロ・アプローチを明言するプロモーションのおかげだと思う。本来、俳優が裏でどんな努力をしたかどうかって、結果としての映像にはなんの関係もないのだが、作品をフェアに受け入れずにアンチになるようなしょうもない大衆に対しては、ちょうど便利な言い訳になるのだ。
映画の舞台は2020年代に翻案されているのに、主演2人の衣装だけがきっちり1980年代という調和のなさが気になったものの、トレンドのサイクルにより、もしかしてハイウエストのデニムに短いジャケットって、逆にいまオシャレなんだろうか?僕には古臭いようにしか見えなかったが、それともこれは『全裸監督』でも黒木香に擬態した森田望智の演技力によるものなんだろうか。この方、ブロックバスターのヒロインとしてはちょっと華がない気もしたが、他の女性俳優たちもおしなべてそんな感じだったので、もしかすると女性性を美しく撮るのが苦手な制作陣だったのかなあ、と勘ぐっている。ただ、アクションは、そろそろ欧米に並び始めた、と言ってもいいんじゃない?と個人的には感じた。『幽遊白書』も良かったし、Netflixがそのへんへの費用もケチってないのでは。