ヒラツカ

翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~のヒラツカのレビュー・感想・評価

2.9
前作は、邦画にしてはめずらしく、全体主義のディストピアを上手に表現したプロダクション・デザインの優れた映画だったが、今作はヒット作の続編ということでさらに制作費が上がったはずなのに、すこし残念な仕上がりであった。『チャーリーとチョコレート工場』のパロディや、古き良きアドベンチャー映画を彷彿とさせるハイヒール・モモコの儀式のシーンなど、ひとつひとつは丁寧に作り込まれているのだが、それぞれがどうも独立していてツギハギで、1本の映画として調和していなかった気がする。いろんな役者たちが独特のコメディの空気感に馴染むようにオーバーアクトをしていたが、いちばん振り切っていたのがけっきょく主役の二階堂ふみという責任感が素晴らしい。