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ゴジラxコング 新たなる帝国のdxdxdのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

本当に最高過ぎるよ。KOMやギャレス版がいかに真面目に怪獣映画を作っていたか。この潔さがいいのよ。途中多方面的に面白すぎて涙を流してしまった。ヤンキー映画、バディアクションをぶち込んだ令和版東宝チャンピオン祭だ。

今回エポックだったのは、散々指摘されてきた人間ドラマの薄さをタイタンたちに担わせた点。特にコングに関しては、吹替や字幕は全くないのに、何を伝えたいか分かり、劇中のアイリーン博士たちと同じような感動を覚える。ネットとかでさんざん言われているけど、隣町あるいは他校へ行って、極悪非道な番長に一度は負けるが、犬猿の仲のライバルと手を組み、テッペンを取る怪獣ヤンキー漫画だった!しかも、タイマンもあるし、卑劣な武器、大人数でのカチコミもあるし、新怪獣のシーモさんがバイクに見えて仕方なかった。予告で散々いじられた怪獣ダッシュシーンがまさかの『クローズZERO』的なカチコミシーンだったとは。その天元突破したバカバカしさに涙を流してしまった。
”バカ”映画でありながらも、孤独を抱えるコングが、異なる土地で同族に出会い、新たなコミュニティを築く話とアイリーン博士とジアの擬似家族的な関係が不思議と繋がっていくように見えた。
繰り返しになるが、タイタンたちの挙動があまりに人間臭すぎる。敵に情けをかけつつ巨悪は絶対許さないコングさん、チンピラムーブ満載のグレイトエイプたち、最初は警戒しながらもコングを慕い、「兄貴~」と言わんばかりにフォローするスーコくん、差し歯を笑うスカーキング。特にコングがピンチの時に「こっちです~」と逃げ道を示すスーコが愛おしかったな。エジプトでコング、ゴジラが再会するシーンが特に最高。ゴジラも全然話を聞かない分からず屋で、コングの「おいちょっと待てよ、ポータルが壊れるだろう」のリアクションに笑ってしまった。モスラ姉さんが場を収めようとする辺りも、まんま『三大怪獣 地球最大の決戦』で、もはや吹き出しを幻視した。しかも、その後の2人の咆哮シーンにちゃっかりモスラもいたし。予告ではいなかったのに。あーハリウッドお得意の嘘予告じゃん!コングに引きずられるゴジラたん、コロッセオで寝込みたいに丸くなるゴジラたん可愛かった。ちなみに、ゴジラとコングのすったもんだに関して監督がインタビューで「ゼイリブ」のサングラスを巡る戦いとか引き合いに出していたのが極めて興味深かった。

あと何よりも感動したのはゴジラ、コング、人類の共同戦線!KOM、髑髏島、ゴジラvsコングでもあったけど、今回は特にそれが強く出ていたと思う。予告からそうなるだろうと推察していたが、人間サイドがコングの強化パーツ、解剖メカ型激震性サンダー・グローブを開発した辺りとか。「コングが強くなりすぎる」というバカ懸念でプロトタイプのみで開発を止められていたサンダーグローブをコングが装着し、コング ビーストグローブverになるなんてあまりにもヒーロー映画!サンダーグローブが変形して装着され、ぶん殴る時のガチャンがチャンなるメカの挙動、悔しいがカッコイイなと思い、また泣いてしまった。それ以外も人類チームが放電するヴァータシーンを引き連れて、グレイトエイプ集団に雷撃食らわせるなどナイスフォローしていた。地下内を無重力状態?にするのは敵味方関係なく、混乱していたが。あんなふわふわした状態で戦う怪獣観た事ないよ。スカーキングがコングの差し歯を笑っていたけど、どこか人間に助けを得ているコングを嘲笑しているように見えた。そんなコングが人間の力によってパワーアップした拳で、スカーキングをぶん殴り、歯を1本吹っ飛ばすのが因果応報、タイタンのキャラクター性、アクション、ストーリー、全て1本筋が通っており、ここに果てしなく感動してしまった。

前作のネオンカラーの香港といい、地下空間さえも結晶によって青とピンクのサイケな空間になっていて笑ってしまった。ゴジラもピンクになり、「パワー20倍」って完全に20倍界王拳なのよ。パンフレットのアダムウィンガード監督インタビューで「私はピンクと青の色が好きで、だからこそゴジラにもそのような色彩を入れるのは自然だと思いました」とか昭和のアンダーグランド、ヒッピーな空気が好きでとも語っていて非常に納得した。

清々しいほどの荒唐無稽怪獣ヤンキーバディ映画に惚れ惚れしてしまう。インタビューでレベッカホールが「この物語は非常にハイオク(エネルギッシュ)で~」と語っていて、それが非常にしっくり来る表現だった。誰かと観に行って笑いたいし、語りたい。
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