中途半端な人間ドラマを割愛し、怪獣アクション&バトルに全フリしたらこんな感じになるよー、という作品。むしろドラマパート無しで全編CGのみでも良かったんじゃないかな…いや、ジアと女王だけは出てほしい。2人がテレパシーで意思疎通するシーンが良かった。
諸々のストーリーがあまりにも都合良く進むが（コングの虫歯治療から半笑いで、凍傷対策に至ってはもう笑うしかない）途中からはそれで良いと思えてくるから不思議。「リアリティとか重視しないし、意味が分からなくても先に進むので、細かい説明とか描写とかしませんよ！」という意志が強く伝わってきた。あの乗り物、誰でも操縦出来るのか…案内人の人が植物に食われ損じゃない？イキってる人、早めに脱落あるある。
バトルはクライマックスまでは良かったけど、スカーキング他、入り乱れてきたらなんか分かりにくいカットが続いた。上空に地面が映るのが混乱する原因かな。シーモ、終始可哀想だっただけに、最後見せ場があって良かった。モスラがリアル虫過ぎるの、なんとかしてほしい。
女王ファラ・チャン、シャン・チーに出てた人（シャン・チーのお母さん役）だったのか。洋画における秘境の民族の中で好意的に描きたい人がいた際のキャスティング？あとブライアン・タイリー・ヘンリーのシリーズの語り部的役割が好きだからずっと出て！
ゴジラってよく考えたらむき出しの移動式原発みたいな存在だけど、ローマの市街地にいるのは平気なのか…。コロッセオから半径数十キロは避難した方が良さそうな。この辺の表現、映画から受ける印象も大きいので（原爆表現やインディ・ジョーンズの核爆発とか）、もっと慎重に描いた方がいい気がするけど、そこはワーナー・ブラザース的に躊躇するところなんだろうか。あと世界の有名な観光地でのバトルが必須なので、怪獣の皆さんも大変だよなー。わざわざセーヌ川？を移動してくれるゴジラ、気遣いが聖人かと思った。
そして「人間のために怪獣を倒してくれる」とゴジラの役割を説明した直後に、フランスに現れたらミサイルを撃ち込むって、人間はあまりにも勝手だよなー。もちろん退治なんてできないんだけど。コングは人間（の言葉が理解できて害を及ぼさない）、ゴジラは動物（で思うようにはならない困ったやつ）、みたいな描き分けになるんだなと思った。切ない…。
