悲しい人だね
遠く延びる影に
そう言って
笑った
つもりではいるんだ
背中に添えた手
赤く残る痕を
また知って
なぞった
代わりなどないんだ
滲む世界
好きなだけ
かき混ぜて遊ぶ
平穏に潰されるなんて
思ってもみなかった
美しさのまま
踏み止まることが
何かの引き金になっている
そんな恐ろしさばかりに
泣いてもいられない
感じれば
信じてもいい
優しい街だね
いつも曲がる角で
振り向いて
願った
涙こそ出るんだ
黙る未来
好きなだけ
追いかけて逃げる
退屈に守られるなんて
思ってもみなかった
美しさのまま
待ち続けることが
誰かの淋しさになっている
そんなむず痒さばかりに
揺れてもいられない
浮かべれば
違ってもいい
容易いほど
嬉しい
だってまた逢えそうだから
平穏に潰されるなんて
思ってもみなかった
美しさのまま
踏み止まることが
何かの引き金になっている
そんな恐ろしさばかりに
泣いてもいられない
感じれば
信じてもいい
