このレビューはネタバレを含みます
オルガンのシーン、朝ドラ「エール」の最終回が浮かんでしまってどうにも。そして、あんな非現実が投入されたことで、トウドウが逝き、揺蕩いながらも生き残ってしまったモモの頭の中にあるパラレルワールドの観客にさせられてたとしか思えなくなってしまった。
昭和の純文学みたいな崩れた色気のあるトウドウに対し、最初はしんどい現実を生きる若者だったモモのリアル感がどんどん吸い取られていって、とても物語的な存在になっていくのがおもしろかった。そういう意味では、モモだけは、逃げることに成功したのかもしれない。