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スクリーム6のswansongのレビュー・感想・評価

スクリーム6(2023年製作の映画)
3.9
これから記す雑文は、 ”叫び”(scream)に関する私自身の恐怖体験について綴ったものであり、本作品との直接的なつながりはございません。
お時間のあるときにおつきあいいただければ幸いです…


”地獄が満員になったら、死者は地上を歩き出すんだ。”
--- ジョージ・A・ロメロ ”ゾンビ”より ---


199X年、夏。
ギラギラと容赦なく照りつける陽射しに揺らぐ街並み。
私はおよそ1年ぶりに、同郷の友人Kのアパートを訪ねました。


”おぉ、この部屋涼しいな。
とりあえず冷たいもんでも飲みながらグダグダしよか♪
… 真夜中に俺んちを訪ねてきたお婆さんの〇〇とか、Uちゃんちの部屋の片隅からジッとこちらを見つめてた正体不明の〇〇とか、思い返せば去年の夏は、いろいろと背筋が凍る思いを経験したよなぁ…
ん? どうした? 何かあったんか?”

先に来ていた友人Uを交え、ひさしぶりに野郎3人の駄話に花を咲かせるつもりでしたが、なぜか2人の表情がいつになくこわばっているのです。


” ••• 部屋でグダグダもええけど、今日みたいな天気の良い日はここから近い区民プールへ行ってみようや。”

” ••• 俺も区民プール案に賛成だな。たまにはちゃんと日焼けしようぜ。”


根っからのインドア派であるKとUからこのような不自然すぎる意見が出た時点で、もっとしっかり2人を止めていれば… あのような惨劇は回避することができたはずなのに…
おそらく私はこのときすでに、”尋常ならざる者”の思念に捕らわれていたのですね。


”今からプール? でも俺、海パンも何も持ってないけど?”

” ••• 大丈夫や。Uちゃんは持ってきてるし、新品がここにもう一枚あるから使ってくれや。”

” ••• よし、それじゃ今すぐ出発しようぜ。”


かくして我々3人は、目も当てられぬ”惨劇”の待つ区民プールに到着してしまいます。


” ••• さあ、ほんならさっそくプールサイドで体を焼こか。”

” ••• オッケー、まずは背中からだな。”

いつもならこんな暑い日は一歩たりとも外へ出たがらないくせに… コイツら、ぜったい何かに取り憑かれてる。
早く… 早くいつもの2人に戻ってくれ!

” ••• おいおい、そんなに縮こまってないで、もっと堂々と大の字になったらええねん。”

” ••• そんなんじゃ背中をくまなく焼くのは無理だよ。もっと腰を高く上げてみ。ほら、もっと思いっきり高く••• そうそう!”

そのとき、私の後方からやって来た大学生と思しき女子数名と視線が合ってしまいました。
”忌まわしいモノ”を目撃してしまったかのような彼女らの表情から、ようやく私は”事の重大さ”に気づきます。

Kが親切に譲ってくれた新品の海水パンツ(ちょっとキツめのMサイズ)のお尻の部分に走る、全長およそ10センチメートルの亀裂 ……


お・ま・え・らぁぁ~っ!
またしてもやりやがったなぁ~っ!!!


(( *≧ ≦) シモネタヤナイカ…
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