【世の中ってこんなもん】
※上映後、監督のネットでのティーチイン・Q&A付き
この手の作品にはよくあるのだけれども、ある程度ストーリーが進んだところで、これは僕たちの社会のことを皮肉ってもいるのだと考えたりした。
ネットを含む僕たちの社会だ。
それに僕自身が懸念(期待?)していたよりもずっとあっさりめで、シンプルな展開だった。
で、上映後のQ&Aを聞いていて、おそらく大きくは外れていない気もした。
(以下ネタバレ)
ごく普通に生活している人が、ネットやSNSでは突如として暴力的になるなんて話は、メディアや大学の研究者の話としてよく聞くことだ。度の恥はかき捨てみたいなのも同じかもしれない。
豹変するのだ。
そして、常識的に発してはいけない言葉を連発して取り返しのつかないことになったり、或いは、複数のアカウント(サブ垢・捨て垢、或いはアバターも)を用意して、アカウント停止覚悟で誹謗中傷や暴力的な言葉を投げ続ける。
映画「インフィニティ・プール」のクローンのような感じだ。
監督が質問に答えて、本人かクローンかはあまり重要じゃないと言っていたように思うが、本人の意思を代理さえしてれば、それで十分だということのような気がする。
更に映画の中で使用される仮面については、特段意味はないとも言っていたし、それは本人であることを隠すと云う、やはりSNSの世界で複数用意されるユーザーネームとかハンドルネームみたいなものを想起させる。
そして、これはどこかに暴力性を潜めて、それを時々出現させてしまうと云う僕たちの社会の病理だと思うし、どこか人間の本質に迫るもののようにも思える。
大変面白かったのだけれども、なんか勝手にもっと難解なものを予想していたので、ちょっと拍子抜けしてしまって…。
帰りのバスの中のジェームズのよう…、あっ、これは放心状態か!?…なんて😁
ミア・ゴスはさすが👍