murmur616

インフィニティ・プールのmurmur616のネタバレレビュー・内容・結末

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

 ジェームズのクローンが刺殺で処刑される場面が生々しくてなかなかキツかったです。妻のエマからしたら、大切な人の死に様を見せられているんだし心境を思うといたたまれません。肉体は同じで記憶まであるし、もはや違いは隣にいるかいないかだけでは・・・。
 本当に処刑されたのはクローンなのか?問題に関してはサラっと流されて意外でした。そんなこと気にしないくらい倫理観が破綻しているのかもだけど。
 クローン殺せば何してもOKじゃん!?な悪質金持ち集団のおもちゃにされるジェームズが気の毒でした。車のボンネットからミア・ゴス演じるガビに、「お前の本なんて読んでないよ!駄作でしょ?」「酷評の記事読みあげるね!」みたいに貶される場面は酷過ぎて気持ち良いくらいでした。こんな連中に目を付けられること自体が怖いです。
 最後は堕ちるところまで堕ちろとばかりにクローンの自分を撲殺させられたりと、徹底して尊厳を蹂躙されるジェームスが不憫過ぎます。
 ガビ達が普通に日常に帰っていく一方で、もはや以前には戻れない様子のジェームズに厭な余韻が残りました。
 顔面損壊などゴアシーンにも気合いが入っていたし、エキの仮面はキモ過ぎだし、終始モラルの限界に挑むような作風で見応えがありました。
 エムの暗い快感を覚えたジェームズに対する、「ゴミ捨て場のカニみたいな目をしている」という未だかつて聞いたことのない罵りが酷で笑っちゃいました。なんだか使いたくなりますね。
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