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岸辺露伴 ルーヴルへ行くのABBAッキオのレビュー・感想・評価

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)
3.8
2023年渡辺一貴監督、小林靖子脚本。荒木飛呂彦原作でNHKドラマで実写化されてきた岸辺露伴シリーズの映画版。高橋一生の露伴、飯豊まりえの泉京香のコンビが大画面で堪能できるのは素晴らしい。ルーブルの壮麗さもよかったし、さりげないモナリザの使い方も露伴作品らしい。小林脚本を中軸にNHKドラマの水準を維持していたと思う。木村文乃はさすがの好演、長尾謙杜は若い露伴として正直やや弱かったが許容範囲内かな。
 自分的には構成がちょっと残念だった。ルーブルだけでなくパリの街並みでの露伴と京香をもっと見たかったし、「黒い絵」の因縁もルーブルでの話の中に組み込んだ方がまとまりがあったように思う。
 荒木氏は大友克洋氏など以降の日本マンガの絵画化の流れを受けて最も成功した作家だろう。そこにはバンド・デシネとの交流も大きい訳で、荒木氏は岸辺露伴さながらにヨーロッパでファンが多いに違いない。フランスやイタリアの風景に溶けこむ描写は素晴らしい。テレビでも映画でもよいのでこれからも続編を期待したい。
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