甲子園の魔王

岸辺露伴 ルーヴルへ行くの甲子園の魔王のネタバレレビュー・内容・結末

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

原作未読。ルーヴルへ行ったこともありません。

蜘蛛蜘蛛蜘蛛蜘蛛!!蜘蛛恐怖症の人みれないだろコレ。

絵画→顔料→神木、みたいな発想の繋ぎ方は相変わらず上手いけど、最終的にあんまり神木自体は関係ないようなオチで、じゃああのモリスルグランの模写の裏に残ってたドロドロはなんやってん。

黒い絵に襲われる条件は“何かに後悔している”か“先祖の罪”らしいが、ポジティブ過ぎて襲われなかった泉君。ちょっと説得力足りんというか、そんな理由で逃れられちゃうんだ。露伴先生の方が後悔なんてしなさそうなキャラクターなのに。
”先祖の罪”という条件に関しても、奈々瀬と仁左右衛門に子供がいる描写もなかったので露伴先生は奈々瀬の直系の子孫でもないはず。そんなわずかな血の繋がりですら罪をおっかぶせられるんだとしたら、やっぱり泉君だけ都合よく襲われなかった事が引っかかる。

あと本物の黒い絵が、背景が黒い女性の肖像画って感じで”この世で最も黒い”と言うほど黒いわけじゃないのも気になった。ロールシャッハテストじゃないけど「黒過ぎるあまり見る人によって違う絵に見える」とかそういうエクスキューズがあったらまた違ったんだろうけどそういう訳でもなさそうだし。それならいっそ絵自体は最後まで見せずにいてくれた方がハッタリが効いて良かったんじゃない?奈々瀬の正体に関してもそうだけど、今回はドラマより尺が長いおかげで事件を詳細に語れる分、原作やドラマ版にあった奇妙さと外連味が薄れてしまっている。

他にも、若い頃の露伴先生役の人もう顔出来上がってるのにここから高橋一生に持っていくの中々キツくね?とか、エマ野口(美波)の演技ナチュラル過ぎて荒木ワールドの中で浮いてね?とか、気になる所はまだあるけど、正直また高橋一生の露伴先生が見られただけで満足といえば満足。
一旦記憶を全て消すことで黒い絵を見たという事実を消し、顔を擦って記憶を取り戻すっていう窮地の逃れ方もちょっとジョジョっぽくて良かった。
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