三樹夫

名探偵コナン 瞳の中の暗殺者の三樹夫のレビュー・感想・評価

3.6
佐藤刑事が劇場版初登場。塩沢兼人白鳥は劇場版においてはここまでで、次からは井上和彦へと交代する。声優が変わったことで性格も若干変わっており、塩沢兼人期は塩沢兼人の怪しい声質を活かしたミステリアスな雰囲気が漂い時にはミスリード要員としても機能していたが、井上和彦期からは気取ったコメディリリーフのような立ち位置もとるようになる。
蘭の空手の都大会優勝設定が劇場版にて初めて活かされるも、基本的には古典的なお姫様と王子様の構造というか、記憶喪失になった蘭がひたすら守られる。ミステリー要素少な目、アクション少な目となっており、記憶喪失になった蘭を中心とする日常描写が多くを占める。ミステリー要素は相変わらずガバガバな感じであり、なんじゃそれというダイイングメッセージが残される。
予告編詐欺でもあり、予告編では警察の巨大な陰謀がと思いっきり煽ってくるが、確かに序盤では警察の巨大な陰謀があるような雰囲気があるもののわりかしあっさりとそこの所は終わり日常描写へと移行する。
警察の陰謀がだったり犯人はこいつなのかだったりミスリードを多く盛り込んでいるが、結局ただの思わせぶりだったんかいと、ミスリードを多く盛り込み引き付けようとする反動で真相が判明した時の何だったんだあれをより多く感じてしまう。

相変わらず犯人が前職は特殊工作員だったのかぐらいのコマンドーっぷりで、勿論コナンも負けじと「ハワイで親父に」と対抗。今作では爆発はないので、その分犯人というか黒タイツが体を張ってアクションパートを作るために、元コマンドー?というぐらいのとんでもないアクティブさを発揮することになるが、コナン劇場版においてはそこのところは作品としてマイナスにはならない。
人妻が劇場版に再登場しまたもやとんでもない可愛さを見せつけてくる。あのクッサいプロポーズ言われた時もの凄い嬉しかったんだろうな、その時のこと鮮明に覚えてるやん。「容疑者・毛利小五郎」の時の「そろそろ戻ってきてくれねーか…限界なんだよ…」を録音してエンドレスリピートしてるのと同じく、小五郎にクッサいこと言われるの好きね。
劇場版前作で初登場した灰原哀だったが、『世紀末の魔術師』ではあまり存在感がなかったものの、どう考えても本心だろみたいなことを言った後に「なーんてね」と言って誤魔化すツンデレスタイルで今作ではヒロインアピールをちょこちょこ挟んできて存在感が増していっており、次作劇場版『天国へのカウントダウン』は灰原回となる。
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