キットカットガール

紳士は金髪がお好きのキットカットガールのネタバレレビュー・内容・結末

紳士は金髪がお好き(1953年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

 マリリン・モンローやオードリー・ヘプバーン、ジェームズ・ディーンなどの作品を鑑賞すると自然と文化遺産を拝んでいる気持ちになり、彼らに釘付けになってしまう。そんな訳で、物凄いオーラーを全身で受け止めようと努めたオープニングシーン。マリリンしか目に入らなかったけれど、エンディングでは一転、ジェーン・ラッセルに夢中なのだから。あの時代の作品でダブルヒロインとは結構新鮮だった。華がありすぎて画が喧嘩しそうな気がしたけれど、それぞれの魅力が共存していて、とにかく素敵だった。実際に二人は仲良しだったらしく、何だか嬉しい。

 純粋に面白かった。幾度も笑ってしまった。結構思いがけないところで爆弾が落ちてくる為不意打ちが多かった。特にあの少年にはやられた、スポフォード三世。笑 彼があの中では誰よりも大人だった。笑 ピリッとスパイスになっていて可愛かった。

「いやらしい爺さんだ。よく耐えられるね。」

このセリフの威力は凄まじい。笑 これぞ正論であるはずなのに、社会に混ざるといつの間にか姿をくらましてしまう。是非こういう事に悩んでいる女性に届いて欲しい言葉である。
まあ、ローレライの場合これを武器にしているからOKなのかな...??
ともかく、そんなローレライは私からすると全然おバカな印象はなく、むしろ自分なりの哲学を持った気丈な女性。加えて、無邪気で愛らしく、比較的(お金の事抜きだと)人が良さそう。どんな人に対しても怯まず、大胆な姿はむしろ頼もしく思えてしまう。見習いたい。笑
「彼も男でしょ、それなら任せて!」
みたいな事、人生で一度は言ってみたかったなと少し羨ましく思ってしまったのも事実。笑
然し、マーロンのような人もいるのだと信じてみたら明るくなれそう。その為、マーロンが法廷でコロッと意見を変えるシーンはお気に入り。
(真面目に、このシーン、初めジェーン・ラッセルだと全然気づかなかった。笑 見事な完コピ。)

本作にはお気に入りのセリフが沢山。

「美人とお金持ちは似ているのよ。一つの基準で判断される。相手が喜ぶならいいじゃない。娘さんが貧しい男と結婚すると言ったら?もっといい人と結婚させたいと思うはず。お金を望むのは悪い事?」
本当にそうだよね。女性の見た目を基準に選んでいる男性は、お金を理由に選考されても文句言えないよね。お互い様。お金もある意味その人が持っている一つの魅力だもの。

「私の周りにローレライ・リーが大勢いる気がする。」
これは観客に対しての問いかけのような気もした。貴方の周りにもこういう子いるよね?と。笑 確かに数名心当たりがある。笑

ミュージカルシーンも豪華で圧倒。バックダンサーや集団の使い方がとても上手。「Diamonds are a girl’s best friend」は未だに頭から離れない。ピンクのドレスに朱色の背景、キラキラ光るダイヤモンド。美術も魅力的。

メモ:
✴︎ティアラを返還するシーンはお気に入り。「センキュッ」

✴︎オレンジのドレス・深緑のシックなドレス

✴︎マリリンのあの表情はまさにアイコン。半開きの目と突き出した下唇。甘ったるく、ゆっくりと流れ出てくる声。ハスキーな歌声も素敵でキュート。より彼女が好きになった。

✴︎ジェーン・ラッセルがプールに落ちたのはアクシデント(wikipediaより)