けろえ

ナチスに仕掛けたチェスゲームのけろえのレビュー・感想・評価

3.9
久しぶりになかなかエグい映画を観てしまいました。

映画の主人公と原作者が色濃く重なっていると言われるこの作品。原作者は、この映画の原作を書いた後に、自殺をしてしまったそうです。

映画の内容は、あんまりこう言う言い方はしたくはないのですが、心を病んでしまった人の脳内を覗いているような、そんな内容でした。

決してナチスに対してチェスを挑んだ人の話ではありませんでした。ナチスに精神を狂わせられてしまった人のお話です。見終わった後、心が苦しくなりました。

でもって、配給会社の方へお願い。

「ナチス」「ヒトラー」という文字を邦題に入れると、観客動員が増えるという話を聞いたことがあります。

原題に、「ナチス」「ヒトラー」が入っているならまだしも、今作などは全く入っていません。

映画の内容も「ナチスに仕掛けたチェス」ではありませんでした。ナチスに捕えられ、心を病み、チェスを心の拠り所に生きる人間の話でした。邦題と内容は全くと言っていいほど噛み合いません。

要するに、単に映画に客を呼ぶために、気軽に「ナチス」「ヒトラー」を邦題に入れないでいただきたいのです。これは前々から常々思っていました。切なる願いです。
けろえ

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