高級ペントハウスに美術品を盗みにはいったニモはセキュリティシステムの誤作動で閉じ込められてしまう。
なんとか外に出ようと暴れてるうちに空調システムを破損させ、熱風や冷風、喉の渇きと空腹に耐えながらも天窓を割ろうと家具を積み上げる。
ペントハウスでのサバイバルを余儀なくされ憔悴し独り言を言いながら祭壇を作り祈りだす。
『あなたの部屋は私にとっての檻だったが、破壊無くして創造無しだった』
ニモが去った後のペントハウスは、破壊無くして創造無しが体現されていて、太陽に照らされた天窓へと積み上げられたものはニモの魂そのものに感じた。
ワンシュチュエーション、独り芝居でここまで表現できてしまうウィレムデフォー、凄まじい。
アートへの功績と罪を表したこの作品全体がひとつのアートなのかもしれない。