maro

氷の微笑 4K 30周年記念レストア版のmaroのレビュー・感想・評価

3.5
2023年日本公開映画で面白かった順位:73/95
  ストーリー:★★★☆☆
 キャラクター:★★★★★
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★☆☆

セックスから始まり、セックスで終わる。
サスペンス映画のはずなのに、そんな官能映画のような本作が、公開30周年を記念して再びスクリーンで上映されることに。

一応これ、殺人事件を追う刑事の話なんだけどね。
なのに、気がつけばセックス三昧なんすよ(笑)
恋人ともヤるし、妖美な容疑者ともヤるし。
それも非常にアクロバティックかつ、相手を食うかのような暴力的なスタイルで。
「ここにはサバンナの肉食動物しかいないのかな?」ってぐらいみんな獰猛なのさ。
ニック刑事を演じたマイケル・ダグラスは公開当時47歳。
年齢を感じさせないハッスル具合にバイタリティの高さを感じました。

で、この映画といえば、やっぱりニック刑事を骨抜きにしたキャサリンだよ。
彼女を演じたシャロン・ストーンのエロさの振り切りようときたら!
一番有名なのは、取調室で足を組み替えるシーンだろう。

「安心しないでください、はいてませんよ」

そう、なんとノーパンでヘアが見えちゃってるっていう。
昔はぼかしがあったらしいけど、今回は無修正。
あんなに堂々と足を組み替えられたら、その場にいる人たちも目のやり場に困るなんてもんじゃないよね(笑)
それに加えて、先に書いた激しいセックスシーンからわかるように、性に開放的で、「恥」という概念が一切なく、デフォルトで男を翻弄できる、まさにネイティブ魔性の女。
この体当たりな演技が凄まじい。
オリジナル版の公開当時、僕はまだ小学生だったけど、CMだか予告だかでシャロン・ストーンの姿を観て、何か見てはいけないものを目にしてタブーを犯している感覚に陥ったことを今でも覚えている(なお、本編を観るのは今回が初めて)。
それ以降、僕の中でハリウッド界のエロと言えば、シャロン・ストーン一択だった。
今、こんなエロさ全開のキャラクターやシーンそんなにないって。

で、肝心のサスペンス部分だけど、これは正直モヤッとして終わる。
理由は、犯人がはっきりと明示されないから。
この映画では何人か人が死ぬんだけど、他殺かつ犯人の素顔が見えないまま被害に遭うのが2人いる。
その犯人が誰かって話。
普通に考えればキャサリンだとは思うんだけど、彼女って男女問わず人を惑わすから、もしかしたらキャサリンに惚れ込んでいる誰か(これもまた何人かいる)がやった可能性も捨てきれない。

とはいえこの映画、もう誰が犯人でもいいじゃんって感じはする(笑)
魔性の女すぎる容疑者と、そんな彼女にゾッコンの刑事が、本能のごとくお互いを求め合う、その設定だけでいいだろって(笑)
これ、邦題は『氷の微笑』だけど、原題は『Basic Instinct』。
直訳すれば"基本的な本能"。
だから、サスペンスよりもエロティックな方に寄せているのかも(笑)

そんなわけで、シャロン・ストーンの足の組み替えシーンだけでもせひ観てほしい。
映画史に残るエロティックを観ないまま人生を終えるのはもったいない(笑)
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