イチロヲ

悪女かまきりのイチロヲのレビュー・感想・評価

悪女かまきり(1983年製作の映画)
3.5
死別した横領犯を元恋人にもつ女性(五月みどり)が、未使用金の行方を探る捜査官(長門勇)と元恋人の妹(豊田真子)につけ狙われる。ズル賢く抜け目がない悪女の完全犯罪を描いている、東映産エロティック・ドラマ。

主演の五月みどりが四十路の熟れたフェロモンを噴出させているため、黙っていても男性に言い寄られてしまう妖女の説得力に秀でている。自らの色気と二枚舌を利用しながら、人間関係を波乗りしていく感覚が、ひたすら面白い。

主人公の妖力に惑わされてしまう若い課長(速水亮)、パトロンとなることを生き甲斐にしている会社社長(岡田英次)。そして、怪しい主人公に嫌疑を掛けていく老刑事。あまりにもユルユルなヒッチコック劇場のため、鑑賞者側のリテラシーが試される。

日向明子と白川和子が隠れキャラ的に登場するため、ポルノ女優マニアにはたまらない作品に仕上がっている。現実世界の悪女は、本作のように容姿端麗ではなく、「フツーの容姿なんだけど、不思議な雰囲気を湛えている人」なんだよなぁ、なんて思ってみたり。
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