超ド級の暗黒映画。僕はそろそろ伊東蒼を幸せにしたい。
それにしても紀里谷監督は、とてつもなくこの世界と人間に絶望しているのでしょう。この暗黒映画を引退作として撮っているのだからなおさら、その絶望は現在進行形なのではないかと思う。そんな絶望を厭世観溢れるハナに重ね合わせ、世界の命運を背負わせる。「別に望んで生まれてきたわけではないし、こんな世界なくなってもいい。けど、そんなどうしようもない世界を少しだけ、ほんの少しだけ楽しくしてくれている身近な人のことを思うと、そう簡単に世界をなくす事もできない」という態度はとてもとても共感できるものです。
冒頭からとっ散らかって多少見づらいのは、マルチバースという設定を選択している以上、『エブエブ』同様に致し方ないのか
（過去の時代篇をモノクロにしていることで多少見やすい）。
あと、未来人冨永愛って良い笑笑
去年の『たぶん悪魔が』と同様、落ち込んでる時に、適したタイミングでこういった映画が上映しているものです。これもこの映画が言うところの運命なのでしょうか。絶望的な映画ほど人間を肯定し、優しく包み込んでくれる気がします。
