竜平

終わらない週末の竜平のレビュー・感想・評価

終わらない週末(2023年製作の映画)
3.3
妻の思いつきで急遽海沿いの家を借り休暇を楽しもうと決める一家、しかしそこで何やら不穏な出来事や思わぬ来訪者が、というところから始まる話。

出演がジュリア・ロバーツ、イーサン・ホーク、マハーシャラ・アリ、そしてケヴィン・ベーコンとこれだけでも魅力的な面々、とか思うのは俺だけじゃないはず。序盤からあるのが不穏な音楽と、何やら気になる出来事の数々。人物それぞれには隠し事やら元々の性格やら見え隠れしつつ、やがて休暇先の町だけにとどまらず国内規模でも異常事態と混乱が、という流れ。序盤はさすがにワクワク感満載。で今作にはひとまず終末系のパニック映画の様相もあるけど、そっちよりも人間模様がメインな印象。こーゆー状況下では思いやりや助け合いの心ってのが大事になってくるよね、なんだけど、「何もわからない」ってのはやっぱり人を惑わすし人を疑わせるよなと。そんなちょっとしたリアリティーが終始漂うのも今作の特徴かなと。

目の前で起き始める事象には説明もほとんどなかったりして、とにかく謎が謎を呼ぶ展開。その謎がずっと、本当にずっと謎のまま進んでいく。で、種明かしや説明は終盤でちゃんと出てきて、どんでん返しとかでなくそれまでの数々のものが布石及びフリだったことに最終的には気づけるんだけど、ちょっと長いかなー引っ張りすぎかなーなんて。今作に於いては、どの登場人物にもあまり共感できないという印象があって、これは意図的にやってるんじゃないかなと。前述したように人間模様をメインに描いていて、危機的状況、未知の恐怖の中での他人とのやり取りはやっぱりどこか現実味を帯びてる。まぁ総じて、作品の構造や構図としては「おもしろい」、けど好みか、はたまた楽しめたかと言われると、んー。人物にちょい苛立ちが募ってしまったり、あれはなんだったんだろう的な投げっぱなしに感じるシーンも多々あったり、あとラストもオチてる風でオチてない気がしちゃった。集中力のある時にどーぞ、な一本。
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