炙りチャーシュー丼温玉のせ

マエストロ:その音楽と愛との炙りチャーシュー丼温玉のせのレビュー・感想・評価

5.0
ドアの外で出自を語り、バスに乗り、口論する時にも…内と外(中盤挟まるインタビュー映像で本人が語る外向的・内向的も印象的)を窓枠を使って非常に上手く表現している。
極めつけは大きな山場であるマーラーの交響曲第2番「復活」のシーン
教会のステンドグラスの中に全てを引き込んで熱演する姿は、そう来たか…!と
その後、またそこからの矛盾した出来事(奇しくも、窓の存在しないタングルウッドの野外用コンサートホールという、教会とは真逆の舞台…)
レニーに関わる場所、舞台の使い方が異常なほど上手。
ここで冒頭のレニーの言葉「芸術作品がもたらすのは問い その本質的な意義は矛盾する答えがはらむ緊張の中にある」を思い出す。
キャンセルカルチャーに対する問い、観客への問いかけなのかもしれないな…とふわっと思いながら、単なる伝記映画ではないな…と。