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マエストロ:その音楽と愛とのまるまるまるのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

『人間は囚われた獣と同じだ。己の欲や愚かさの犠牲者なんだ』、『芸術作品がもたらすのは、答えではなく問い。その本質的な意義は、矛盾する答えがはらむ緊張の中にある』。この二つのバーンスタインの言葉に寸分の狂いなく同意する。情動を壮大なリズムで繰り返す夫婦の愛に圧倒される。ブラッドリークーパーは、完全に覚醒したように思う。その片鱗は、『アリー スター誕生』から感じてはいたが、、、驚いた。あくまで個人的にだが、カット割が完璧に思えたし、色味や光の加減、画角、カメラワーク、ほぼ完璧に思えた。モノクロの中での奥行きの出し方も古き良きハリウッドスタイルで良かったし、カラーに戻った瞬間のテクニカラーっぽく感じさせた色味もとても良かった。あえての4:3のサイズも意図が伝わってきた。脚本も良かったし、夫婦が口論するシーンをワンカット、fixで撮っているのも超共感した。それがまた演劇的に見えるのも人生の滑稽さを物語っていて素晴らしかった。それと対照的に『マーラーの復活』を指揮するクーパーを緊張感とダイナミックさを兼ね備えたドーリーインで捕らえていくカットも素晴らしく、その後の夫婦の復活へとつながるカットに涙が溢れて止まらなかった。一歩間違ったら、生涯最高得点をつけていたかもしれなかった💦そしてまたしても世間の評価と自分のそれの違いを思い知る。にしても、キャリー・マリガンが本当に素晴らしかった。あと特殊メイクの進化に驚愕🫨
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