三隅炎雄

旗本退屈男 謎の七色御殿の三隅炎雄のレビュー・感想・評価

旗本退屈男 謎の七色御殿(1961年製作の映画)
3.5
こまどり姉妹や村田英雄が随所で歌う歌謡映画的な色が前に出て、これまでのシリーズとはやや趣が違う。加えて婀娜な女掏摸久保菜穂子の現代劇に近い演技感覚や将軍家の次男菅貫太郎のニューロティックな怪キャラクターも今までに見られなかったものだ。製作費のせいかいつもよりセットが寂しく感じられるのは残念だが、吸血コウモリの棲む呪いの大洞窟での最後の活劇などは伝奇小説的に大いに盛り上がる。菅貫太郎はこの時点で既に『十三人の刺客』の原型みたいな怪演で、彼のファンとしても見逃せない映画だろう。
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