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ニモーナのきのレビュー・感想・評価

ニモーナ(2023年製作の映画)
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大傑作。社会が勝手に価値づけた「規範」「ふつう」がいかにそこからずれた人びとを排除し、疎外するのか。そのなかでのマイノリティは忠誠をちかい、役に立つことでしか認められない社会。その地位にようやく立つところからの裏切り者としてスタートして手のひら返し。わたしのほうがモンスターなの?というニモーナ、暗闇から光に連れ出したのはあなたなのに、暗闇に戻りなさいと排除された経験。ニモーナの語る希死念慮。

騎士道というおとぎ話の領域(歴史的にマジョリティ側としての物語だった?)をつかって、真正面からマイノリティの物語を奪還することの意味を考えてしまう(語り継がれる"べき"物語は、選ばれた強者のもの。語り継ぐためには語る/語りを聴くの両者が必要だから)。
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