Yuri

ニモーナのYuriのレビュー・感想・評価

ニモーナ(2023年製作の映画)
5.0
ディズニーで映画化予定がLGBTQがテーマということで紆余曲折を経てNetFlix公開となったのが功を奏した作品。実は差別主義者のディズニーの制約なしに「ニモーナ」が元来持つ起爆力を原作以上に発揮出来ていて、迫力があって深い余韻を残す名作に生まれ変わり、結果オーライだったと思う。クロエが久々にヒットガール的キャラを演じているので、字幕鑑賞したのですが、まじで正解。ニモーナの持つ可愛さ、悲しみ、孤独、苦しみすべてを的確に表現し、最後の叫びはもう涙で胸が詰まりまくり刺さりまくりの名演だった。冒頭から子ども向けなのに主人公、人殺しちゃって強烈に掴まれたし、最初のニモーナが変身しまくりで動きが読めない逃亡劇もダイナミックでワクワクして、これ名作じゃん!と確信した。しかも、ニモーナが変身した動物の動きとフォルムが可愛い!!クジラで床抜け突破とか実際、ただうつぶせになってるだけだし、見た目が可愛くて悶えた(*^^*) 数々のオマージュもちゃんと元ネタリスペクトなオマージュになっていて、本作の持つ「普通って何?あなたの恐怖心は操作されたものかどうか見抜けているの?物事の本質を見て、理解しようと努力して」というわかりやすいメッセージがバシバシ飛んでくるので、子ども向け作品の域を超え大人にも刺さりまくりだった。ただ、ニモーナがどこから来たのか?仲間はいないのか?が気になるのと、円卓の騎士制度と近未来SFを合わせているのが本作の面白さのひとつではあるが、それにより、設定矛盾が生まれてしまっている点が残念だったかな。一応、形だけはハッピーエンドで閉めているけれど、私は人間が産み出してきた負の連鎖が深く悲しい余韻を残す、良く出来たアンハッピーエンドだと感じた。傷ついたら、壊れたら元に戻らないものってあるんだよ(涙)これは今からでも夏休み映画で大スクリーンで公開して欲しいなぁ。親子で観て話し合うのにピッタリの逸作です♪
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