べり

コット、はじまりの夏のべりのレビュー・感想・評価

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)
4.1
愛情や温もりに飢えていて、いつも緊張していて、黙ってるからいざ何か言いたい時に上手く言えない…そんなコットの不安定さが浮き彫りになるような前半の画面の薄暗さと、アイリン・ショーン夫婦の家預けられ次第に心開いていく様が家の中に差し込む日差しと共に描かれていて、ずっとじんわり涙が出ていた。
3歩進んで2歩下がるような距離の積め方にもどかしさを感じていたけど、だからこそラストのシーンで涙腺崩壊した。劇場内の他の観客も一斉に鼻を啜る音がして、嬉しくてちょっとだけ笑っちゃった。
一緒に掃除機をかけて、手を繋いで水汲みをして、慈しむように髪をすき、ただ甘やかしてあげる。それをしてあげたかった人と、してほしかった人は違くても、確かにそこに愛があったんだよな
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