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アダマン号に乗ってのiccoのレビュー・感想・評価

アダマン号に乗って(2022年製作の映画)
4.1
まず、船の美しさにやられる。
図書館とかの誰でも入れる公共施設で美術館みたいなところは時々みるけど、心の療養施設がこんなに美しい場所なら確かに心も元気になりそうだなと思った。

皆さんアダマン号に乗って、自分の心の中を旅してるのね。最初に患者さんが歌っていた歌を聞いてうるっときたのは私だけじゃないはず。特に芸術活動に特化していた方を集めている訳ではないそうだが、みんなすごい芸術家。自分の気持ちを目で見たり、耳で聞いて確認できる形に表現することで、自分の中の何か形にできないしんどいものを外に出せる場所なんだと思う。

そしてその形になったものを皆んなでどう感じたか話し合う。本人にも見えないものに他人が向き合うことは難しい。
形になると、目に見えてわかるものもある。
なんか改めて芸術って素晴らしいと気付かされたな。
お父さんが画家だという女性が描いた絵がとても心に残った。
色彩感覚って、すごく育った環境が色濃く出ると私は思っている。

今日何しよう、ってみんなで話し合ってる所をみて、その日の時間割を自分で決めて進める『窓際のトットちゃん』のトモエ学園を思い出した。
今でもトモエ学園は私の憧れ。
私も通いたかった。
だからか、なんかここに通ったら幸せだろうなと心から思えたよ。
何がすごいってこれ、役者さんが演じてる映画じゃないことだね。
すごいねぇ。
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