アダマン号のプロジェクト自体は貴重で意義深いと思うけど、ドキュメンタリーとしてその魅力を伝えきれていないと感じたのが正直なところ。
患者と支援者という先入観や線引きで見せたくないためか、あえて説明は省いているけれど、この題材に関してはベタにドキュメンタリーらしく適切な説明を要所要所に入れた方がアダマン号の理解が深まったと思う。アダマン号が何を目的として運営され、どのように活動しているのか。このシーンでは何をしていて、何を委ねられているのか。映画を見ながら想像することはできるし、この映画をきっかけにアダマン号をより知ろうとすればそれでいいのかもしれない。ただそれではもったいないなと個人的に感じた。
よく言えばゆったりとした時間が流れていて、率直に言えば弛緩しているシーンが散見された。フラットな見方で適切な情報量でアダマン号の意義を伝える方法は他にあったのではないか、という考えがどうしても残った。
