oさんの映画レビュー・感想・評価

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港に灯がともる(2024年製作の映画)

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人に対して攻撃的な人とは意識的に距離を置くタイプの人間としては、親と衝突したり嗚咽したりするシーンがしんどくて、かつそういうシーンが長回しされるから精神的にキツかった。
話としてはやや詰め込みすぎな気
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エマニュエル(2024年製作の映画)

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『あのこと』のオードレイ・ディヴァン監督が『エマニュエル』を撮るなら単なるエロティシズム映画にならないと思ってたので、意外と普通な印象。
構成はしっかりしてて見やすく、挿入至上主義的な男性主体の単調で
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子どもたちはもう遊ばない(2024年製作の映画)

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悲惨な様子のエルサレムではなく、路地裏の、市井の人々のエルサレムが見えてくる貴重なドキュメンタリー。
アフリカ系パレスチナ人のツアーガイド・アリの語りが多いのが印象的で、かつてはPFLPの活動家でアラ
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ブラックバード、ブラックベリー、私は私。/ブラックバード、ブラックバード、ブラックベリー(2023年製作の映画)

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一人の自立した中年女性の生活と変化を描いた点でものすごく意義のある作品。
男性が女性を性的にまなざすカメラワークは見慣れてるけど、女性が男性を性的にまなざすカメラワークはなかなか出会ったことがなく、か
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中島みゆきコンサート「歌会 VOL.1」 劇場版(2024年製作の映画)

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たいしたファンでもないのにライブヒストリー2007〜2016に続いて見に行ったのは、やっぱり中島みゆきの魅力に尽きると思う。
抑揚があり伸びのある力強い歌声、どこか少女のようにチャーミングな立ち居振る
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夏の庭 The Friends 4Kリマスター版(1994年製作の映画)

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映画館で見るのはたぶん2回目、せっかくリマスターされたので見に行ったら前より数段よく思えた。
子供の頃、近所にあったオンボロ屋敷とかあったのを思い出すけど、もうとにかく三國連太郎のおじいちゃん力が素晴
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お引越し 4Kリマスター版(1993年製作の映画)

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映画館で見るのはたぶん2回目、リマスターされてよかったな〜としみじみ。
相米慎二は室内空間の見せ方がうまくて、映画が進むにつれてこの家族が住む家の間取りが少しずつわかってくる。つまり広がりがある。
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彼岸花(1958年製作の映画)

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佐分利信演じる父親の典型的な頑固親父っぷりにはあきれるばかりだけど、中盤からグッと面白くなる。
その妻を演じる田中絹代が素晴らしくて、それまでは夫に抑圧されて能面的に無表情だったところ、夫の意見に反対
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ラヴィ・ド・ボエーム(1992年製作の映画)

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おじさん連帯映画として貴重。
アキ・カウリスマキ✕マッティ・ペロンパーのマジックは素晴らしい。
カウリスマキの映画には貧しさの中にも朗らかなユーモアがあって、ほのかに明るい希望を感じさせてくれるからい
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ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち HDリマスター版(1978年製作の映画)

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リアルタッチのうさぎの作画に懐かしさを感じる。悪い黒うさぎのボスとかうさぎ社会で生き抜く大変がよく伝わってくる。
鳥のキハールがいいアクセントで、うさぎ中心の物語にリズムを作ってくれてる。
その他、犬
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あなたの瞳に話せたら(2019年製作の映画)

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併映の『春をかさねて』とセットで意味が深まる作品。
ビデオレターといった趣で、メッセージの受け手はもうここにいない。けれども、そのメッセージは観客が代わりに受け取っているんだと思う。
卒制らしくやや拙
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春をかさねて(2019年製作の映画)

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優等生的であること、明るく前向きにがんばることを担わされるつらさがよく伝わってくる。
東日本大震災から13年たち、約1年前に能登半島地震が起き、東日本大震災が風化し始めていることを感じる今、この映画を
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どうすればよかったか?(2024年製作の映画)

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他の誰にも撮れない、藤野智明監督渾身のドキュメンタリー。
統合失調症になった(と思われる)姉と両親を定点観測した作品で、とてつもない密度に圧倒された。
ど真ん中ストレートのタイトル、『どうすればよかっ
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大きな家(2024年製作の映画)

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家族のようだけど、家族じゃない。
実家じゃないけど、実家みたいな場所。
そこに住む子どもたちの声を通じて、児童養護施設という共同体の姿が見えてくる。
スタートからそうなんだけど、彼彼女らを大切にしたい
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ザ・バイクライダーズ(2023年製作の映画)

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70年代前後を舞台にバイク文化をジェフ・ニコルズが撮るなんて意外……!と思ったけど、見れば納得、ジェフ・ニコルズの映画だった。
『エルヴィス』でその魅力を遺憾なく発揮していたオースティン・バトラー、ど
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グラディエーターII 英雄を呼ぶ声(2024年製作の映画)

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前作は復習しないで鑑賞。
ポール・メスカルがこういう大作に出るようになるなんて、それだけで感慨深い。
前半はややまったり進行でちょいうつらうつらしつつ、コロセウムに着いたくらいでシャキッとしてきた。
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桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

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久しぶりに鑑賞。公開から12年も経つことに驚きながら、たしかにその当時はまだよく聞いたスクールカーストを如実に感じられて、時代性を捉えてると思った。
カメラの視点を登場人物ごとに変えて特定の数日間を繰
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カラマリ・ユニオン(1985年製作の映画)

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どこかジャームッシュ的雰囲気を感じるのはモノクロでオフビートだからかな。
カウリスマキの静かな中にあるユーモアはまだ控えめな印象。

十一人の賊軍(2024年製作の映画)

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山田孝之の往生際の悪さ、仲野太賀の真っ直ぐなひたむきさ、阿部サダヲの手練れな家老っぷり、そしてあの爺さんを演じた本山力の殺陣がよかった。
その他、軽妙な尾上右近、安定感ある岡山天音、二枚目なだけじゃな
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五香宮の猫(2024年製作の映画)

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五香宮を舞台に、野良猫とそこに住む人たちの共生について考えさせられるドキュメンタリー。
想田監督らしく観察映画ながら、ワイズマンのように全く話さないわけじゃなくて、必要なコミュニケーションを取りつつ撮
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ロード・トゥ・パーディション(2002年製作の映画)

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徹底して少年マイケル視点の物語となっていて、遠近やフレーミングなど見事なカメラワークがストーリテリングに貢献、トム・ハンクス、ダニエル・クレイグ、ジュード・ロウ、そしてポール・ニューマンという確かな役>>続きを読む

白鍵と黒鍵の間に(2023年製作の映画)

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本物のクリスタル・ケイ、松丸契を起用してこれはちょっとキツかった。

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

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ループもののパターンとしてはめずらしい気がするけど、乗り切れず。

ヒューマン・ボイス(2020年製作の映画)

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アルモドバルらしいインテリアが光っているけど、短編ゆえに物足りない。

クレイジー・ママ(1975年製作の映画)

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これくらいゆるい映画が今の世の中にも必要だと思うの。
ゆるいと言いつつ、なんだか気合いの入ってるシーンもあってほどよい。

ラスト・オブ・モヒカン(1992年製作の映画)

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植民地戦争なんて悪いことしかない、英仏の争いに現地のモヒカンたちが巻き込まれ、対立させられたことに激しい憤りを覚える。

蜘蛛の瞳/修羅の狼 蜘蛛の瞳(1998年製作の映画)

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久しぶりに見返し。
大杉漣がサンルーフから乗り出して哀川翔に語りかける横移動撮影シーンは何度見ても最高。
そしてこの映画におけるダンカンの侘しさもいい。

蛇の道(1998年製作の映画)

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久しぶりに見返し。
やっぱりリメイクより断然いい。

秋立ちぬ(1960年製作の映画)

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ヒデオとジュンコという兄妹のような少年少女を通じて、大人のろくでもない社会を白日の下にさらす。
ラストカットのなんともいえないもどかしさがビター。少年はちょっと大人になった(と言うよりならざるをえない
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HAPPYEND(2024年製作の映画)

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現代的な雰囲気作りが心地よかった。ベタベタ、コテコテな大作日本映画にはない抜けのよさ。
音楽、撮影、ノリ、ダイバーシティ、すべてが今の自分の感覚とフィーリングが合ったのがよかった。どこか香港映画や台湾
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