ゆるいアジアンアメリカンとして、見ていてあまりにも刺さるものがあった。
あの人を選んでいたら、という単なる恋愛物語ではなく、「(ヘソンを含む)韓国」を選んでいたら、というノラのアイデンティティの物語のように感じた。
アーサーが、ノラが韓国語で寝言を言うのを見て、理解したくてもできない彼女の一部について話すシーン。同様にヘソンもノラのアメリカンで大胆な部分は理解できなくて、その度に彼女に魅了されながらもどこか距離を感じていたと思う。
でも幼馴染にも、パートナーにも、自分のコアとなるアイデンティティを理解されず、どちらかを捨てることでしか、一方を守れないノラがきっと1番孤独で寂しかっただろう。
選ばなかった選択に近づけば近づくほど、それが輝いて見えるし、離れ難くなる。それでもノラは最後までノラらしく、涙の奥に強さを感じた。
映像はA24でありがとうございますでした