ベンチャーのビジネス書を読むより本作を見る方が断然コスパが良い。
イノベーションのジレンマと経営者のプライドによる破綻の物語は、プロットは同じなので、本作も既視感は否めない。
しかし、『ディス/コネクト』を彷彿とさせる臨場感ある撮影で、物語に引き込まれた。加えて、キャラクター造形も良く、ダグのオタクキャラやマイクの変貌ぶりが特に素晴らしい。
マイクがジムに司法取引をしたことを伝えたシーンでは、お互いが無言で見つめ合った後、責めるわけでもなく「(捜査官は)隣室か・・・?」とジムが応えたのがとびっきりかっこよかった。
新しい携帯電話の製造に成功したBlackBerryが、皮肉にもディスコミュニケーションに陥っていく様が見事に描かれている秀作企業映画。