とうがらし

A House Made of Splinters(英題)のとうがらしのレビュー・感想・評価

3.8
2022年サンダンス映画祭 ワールドシネマドキュメンタリー部門 監督賞 受賞
2023年アカデミー賞 長編ドキュメンタリー賞 ノミネート

ウクライナ東部、子どもたちが暮らす特殊な家。
ロシアとの戦争の前線近く。
戦争は、貧困家庭に大きな犠牲をもたらした。
子どもたちは、戦争で両親を亡くしていたり、父親が戦争に駆り出されてアルコール依存症に陥る母親から、引き離されてシェルターに連れてこられた。
シェルターのスタッフは、子どもたちを安心させようと最善を尽くす。
子ども同士で遊んだり傷つけたり慰め合ったり、絆を深める。
いつまでもいられない。
裁判の保護決定を待つ間、一時的な保護の場所。
滞在できる限度は9か月。
親元に戻るか、親戚に引き取られるか、孤児院に行くか。
生みの親に自分を育てる親としての見込みがあるのか。
滞在期間中に子どもたちはどこにいくのか自分で決めなければならず、裁判所から下される決定を待ち、せっかく施設で深めた絆もやがて解かれていくことになる…という話。

ドキュメンタリーと思えぬほどに撮影と編集があまりにも巧みなため、これがフィクションであったら良いのに…と何度、思ったことか。
子どもたちに突きつける厳しい現実に胸が痛む。

予告編
https://www.youtube.com/watch?v=NQVr8stsecM
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