豚肉丸

Joy of Man's Desiring(英題)の豚肉丸のレビュー・感想・評価

Joy of Man's Desiring(英題)(2014年製作の映画)
4.1
人々の工場作業と休憩の風景から労働と人間の関係性を描き出そうと試みるお話

フィクションとドキュメンタリーがボーダーレスに交わった不思議な感覚のドキュメンタリー。人々の工場労働の風景はドキュメンタリーであるものの、その合間に挟まる労働者たちの会話はフィクションという何とも不思議な構成となっている。話される内容は労働に対する不平不満で、しかしながら労働をしなければ私たちは生きることができない、という状況に対しても目を向けられる。

固定カメラを用いた観察的なショットはドゥニ・コテ監督らしく、労働者と機械の運動を映し出すショットは良かったし後半のフィクション部分のショットも良くて面白かったのだが、正直この様なドキュメンタリーとフィクションを混ぜ合わせた実験映画にした意義はあまり理解出来ず。フィクションの会話を媒介にドキュメンタリーで映し出される人間と労働の関係性に関する問題を明らかにしたかったのだと思われるが、ただちょっとした問題提起だけで済まされているようにも感じてしまった...
しかし、ドゥニ・コテ監督のカメラワークはやはり良かったので好き。
豚肉丸

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