イチロヲ

好色透明人間 女湯覗きのイチロヲのレビュー・感想・評価

好色透明人間 女湯覗き(1979年製作の映画)
3.5
新妻との淡白な性生活に悩まされている中年男(野上正義)が、覚醒した幽体離脱能力を駆使することにより、亡き前妻(朝霧友香)との再会を結実させる。当時のオカルトブームを背景にしている、日活ロマンポルノ。太平洋映画社製作。

すでに新東宝が「痴漢透明人間」シリーズを先行させているため、二番煎じの感が否めないけれども、本作では「死後の幽体」であることを強調させたシナリオ展開になっているため、差別化に成功している。

何よりも、ガミさんの「合成映像演技」が見応え満点であり、涙ぐましい努力と自由闊達な胆力を目の当たりにすることができる。もちろん、女優陣が繰り広げる、「透明人間にやられてる風演技」にも、拍手を送りたい。

生き甲斐を失いかけている中年サラリーマンの悲哀を織り込みながら、セックスを活力とした幸福論へと落としていく語り口もまた素晴らしい。クリストファー・リーヴ主演「ある日どこかで」(1980年度)を先取りしたようなラストが脳裏に焼き付く。
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