TaisukeHorie

書かれた顔 4Kレストア版のTaisukeHorieのレビュー・感想・評価

3.0
玉三郎のインタビューを彼の舞台映像を交えながら映す。
途中インタビューで言及された杉村春子と武原はんのコメントも挟む。
同じ白塗りの舞踊としてか前衛舞踊の大野一雄の女装の踊りも象徴的に挟まれる。

男が女を演じる女形という存在と、日本の伝統芸能の一要素である素顔を隠すということ。(能面や歌舞伎の白塗り)
この2点が根底のテーマにある。 
が、女形に関しては基本的に一般的な「男ー女」の性の一線とは別方向の象限に位置し、その点で女装とは根本的に異なる。
(例えば、女形は女性の所作や仕草を「真似」して女性に近づこうとしているわけではない、等)
外国人が監督であるせいか、「女形」と「女装」の区別が曖昧となっており、それ故に玉三郎演じる芸者のミニドラマは安直すぎて見るに耐えない。

映画自体は玉三郎の舞台映像がかなりのウェイトを占め、1995年の玉三郎全盛期の映像をたくさん見れて個人的には満足したが、歌舞伎に馴染みのない人にとっては割と退屈だろうと思った。
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