しゅん

ビヨンド・ユートピア 脱北のしゅんのレビュー・感想・評価

3.5
想像を絶する洗脳統治の実情。政治に対する不信というより、飢えや刑罰を危惧して脱北を決意するというのが実態だった。

作中で洗脳を強く感じた場面は、脱北を支援する牧師の妻(脱北者)が金正恩似の牧師に一目惚れして結婚に踏み切ったところ。金正恩はお洒落で偉大な人物であると洗脳される。魅力的な男性像をも捻じ曲げる、というより生まれた時からそのステレオタイプを植え付けられているのが恐ろしいと感じた。

北朝鮮という国自体がSFの設定になってもおかしくないくらい、おかしな国。他国から見ればプリズン、北朝鮮人から見ればユートピア。真実を知る事が幸せか、知らないことの方が幸せか、まさにマトリックスみたいだった。
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