【背伸び】
久しぶりのMyFFFにて。
子供の頃に芽生えるちょっとした「ワルへの憧れ」
友達よりも一歩リードした自分をちょっとだけ「大人」に感じる、そんな年頃。
主人公のナタンは体も小さくてとても強そうには見えないけど、だからこそ「強さ」に対する憧れがとても強い13歳の男の子。
ちょっとやんちゃなお兄ちゃんの持っているバタフライナイフにも興味津々で何とか触ってみたい。
勝手にお兄ちゃんの革ジャンからナイフを取り出そうとすると「勝手に触んじゃねぇ!」とバチボコにされてしまう。
でもそこはお兄ちゃん(ちょっとワルだけど)。
徐にバタフライナイフを取り出すと、「例の」あのチャカチャカしたナイフ捌きを披露しナタンの前に差し出す。
「お前にやるよ。でも母さんには内緒だからな」
「・・・うん、もちろん」
♪テレテテッテッテテ~~♪
こうして「ワルのアイテム」を手にしたナタンはちょっとだけ脳内でレベルが上がる。
ナタンは町の外れにたむろするカールのグループに入るための「根性試しの儀式」を受けに友達のマリックと一緒に乗り込んでいく。
「名前は?」
「ナタンだけどティタンと。」
「あだ名か?」
「仲間内ではね」
そして、なんともくだらない儀式(ゲーム)に負け、パンツ一丁の辱めを受けるティタン。
なかなか服を着ることを許してくれないカールに怒ったティタンは咄嗟にバタフライナイフを突き付けて服を取り返してその場から逃げるように立ち去ってしまう・・・。
ナタンを襲う激しい後悔。
ちょっと背伸びしてみたかっただけなのに、虚勢を張ったらどんどん張り続けなきゃいけないっていう面倒臭さにやっと気がつく。
「ナイフを持っている」ということでちょっとだけ強くなった気でいたけど、これを実際にチラつかせてしまうのは違うことだとちゃんと分かっている。
帰り道でキャンキャンと吼える犬にシンパシーを感じて撫でてあげる等身大のナタン。
そして家に帰ればお母さんに甘える幼いナタン。
彼はまだまだティタンでいるよりもナタンのほうがしっくり来るのかもしれない。
「チビな犬は自分を大きく見せるために高いところに小便をするんだぜ」
子供ってやっぱりアホなんですよね。
いや、アホだからこそ色々ぶつかって学んで成長していく。
その過程で、やっぱり自分に無いものに対する「憧れ」があって、それに近づきたくて背伸びしてみたりもして・・・
でも背伸びって続けているうちに足がプルプル震えてきて、結局そう長くは続かないんだよね。
・・・ってわかっていても、やっぱりまた背伸びしたくなる。
そしてが足がプルプル震えて・・の繰り返し。
やっぱり子供っていつの時代もアホなんだな~。