Paula

ブギーマンのPaulaのレビュー・感想・評価

ブギーマン(2023年製作の映画)
1.0
むかし、昔⁉
‘The ○○○○(ある超有名な映画)’ Is “Like A Big, Beautiful Cadillac With
No Engine Inside It”
キングがある映画に対して揶揄した引用文の一部より
彼はこの映画に関して「嫌いだった記憶がある作品」だとさえ述べたが、また後にこのようにも語っている。「議論の余地のない輝きを保っていた」...と

ま~ぁ、種明かしをすると...
King said that Kubrick once called King in the middle of the night while they were filming The Shining. "Do you believe in God?" Kubrick asked. Yes, King said he did believe in God. King associated Kubrick’s strange take (and film version) of the Shining to Kubrick’s inability to believe in God. If there is no God, then the Overlook isn’t haunted, it’s all about Jack Torrance going crazy. And that is what Kubrick’s version of the Shining does, it shoes Torrance and his family breaking down.
なぜキューブリック監督がキングに電話したかは、キングは人が死ねば地獄行きになるという一般人はもとより、完璧主義者が陥りやすい固定概念に監督であるキューブリックとしては、人が死ねば”死後に何かがある可能性の存在”や、また基本的に死後の世界を楽観的に考え、それを信じていると語っている。この映画と何の関係も無いようであるようで...?

若い人は知らないかもしれないけれども... それを前提に
「子取り」という言葉...今の若い親の方は、子供のことを思いあまり使わないかもしれないけれども、古くから土着的伝承物語として、子取りという怪物がいて、”駄々をこねたり”、”食べ物を粗末にしたり”、”夜遅くまで起きていたり”、そして何より母親の言うことを聞かなければ究極の一手?として(やや言い過ぎです)
「子取りに連れて行ってもらうよ‼」なんて言われた経験のある人は、いい年、ブッコイテおられるに違いない。汚い言葉を使い失礼いたしました。

ただキングが日本の古い言い伝え的物語を知っている訳がないけれども映画の原作となった日本での題名『子取り鬼(ブギーマン)』は内容が似ている部分も多いと個人的には考えている。それとキングの短編集『Nightshift』に収められている小説『子取り鬼』の原作を忠実に描いた28分ほどの1982年の映画『The Boogeyman (short story)』も先日、鑑賞する機会があったので... ただつまらないとだけ、個人的感想でどうよ⁉

どの国でも一人や二人、存在する怪物であるブギーマンちゃんは過去の映画にご登場の時は精霊のサテュロス的シェイプをしていて子供をとっ捕まえて入れるサンタクロースが持つ袋なんぞを担いでいたりしていたけど、大人を含め子供が常に脳裏に軽いトラウマとしての恐怖をそのような具象化することで滑稽で低俗になり、また具現化することで映画自体が見世物小屋のような人が持つ好奇心を掻き立てる道具に成り下がっている。

ここで一言... 
今も現存する日本のコアなサブカルの代表”見世物小屋”
かなり昔、結構大きな境内なのに人がひしめき合うほどの規模の地方のお祭りでその小屋を張っていたのを今も覚えている。昔の映画館のように小屋の屋根の近くには数枚が並んで見世物の毒々しい絵を飾り、そして興行師による口上が述べられ、「さあっ」開幕という、その時に数名のサクラが勢いよくなだれ込むように入る...と今まで口上を聞いていた無関心を装った人たちがそれにつらて我先に後に続いていく... 人の好奇心とはなにか?

本作を製作した方は、その好奇心の何たるかを都合よく操り、しかもホラー映画を低俗にしたといわれる”ジャンプ・スケア”を多用している。そんなこんでFOX社の社名を永遠に葬り去り、拝金主義でチクリ屋の創業者を持つディズニーならではの映画作りがされている。
アイロニカルに言えば、1983年に制作された『The Boogeyman (short story)』はマイクロ・バジェットのつまらない映画かもしれない。でも人が持つ普遍的で想像力を自然と掻き立てる共通のファクターとして ”恐怖” を単純には表現はしていないように思える。しかもキューブリックが思うほどキングは紋切り型のステレオタイプのシンプルな石頭ではなく自己顕示欲が人よりも数倍強いだけです。失礼しました。キングのファンの方々⁉
あっ!忘れてた。映画の感想は... 
この映画は興行的には成功をしていて、だって本作「ブギーマン」は、元々は Hulu に直接配信される予定だったということ。しかし、いい感じのラッシュ上映とスティーヴン・キングの後押しにより、ディズニーは方針を転換することになった。今やハリウッドではアマゾンプライムでも見られるように映画は直接公開からストリーミングへすぐに移行するシステムによる劇場公開が増えているという事。理由ってか?簡単に言えば、劇場公開は、仮にたとえ映画が劇場で "Box-office bomb" になったとしても、将来的により多くの収益を生む輪転機というツールになっている。そうさせたのは... しつこく言いますけど拝金主義のディズニーらしく『シャズナ』のような大コケ・小ボケ・ヒーローものと違うところを見せつけている。辛辣でどうも失礼しやした。

映画のニュース、レビュー、インタビュー、予告編を扱うブログ、スラッシュフィルムが見出しにこんなことを載せている。
Why The Boogeyman's 'Disappointing'
Box Office Is Actually Still A Win... なんてね⁉
日本は残念ながら、映画のヨイショしかしないサイトばかりなので記事を読んでも失望するばかり、でもこの記事はあたしのこの映画に関する思いをストレートに語ってくれている。
Paula

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