えいごう

コヴェナント/約束の救出のえいごうのレビュー・感想・評価

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)
3.5
試写会にて先行鑑賞。おもしろかった。
(個人的な星のつけ方として3.5は100点満点中70点相当です)

アフガニスタン紛争で現地通訳に命を救われた米兵が恩に報いるべく決死の救出に赴く──日本版ポスターから読み取れるとおりの内容で、想像以上のことは起きない。それでも、戦闘には迫力が、隠密行動には緊張感が、それらの結末にはカタルシスが、それぞれきちんとあって、それだけで十分楽しめた。おはなしもアクションもわかりやすくて、没入感を削ぐようなノイズが少ない。

登場人物が皆“かっこいい大人”であることも評価点。主役の2人はもちろん、出番の少ないキャラクターにも意地や美学の表出を感じられた。主人公の妻、上司の大佐、民間軍事会社の代表が特にお気に入り。彼らとのかけ合いから生まれる、ウェットな台詞や演出に頼らない静かな感動の醸し方が好みだった。

作劇上、完全に「タリバン=悪、やられ役」に仕立てられているが、社会派作品なわけでもないしこれでいいと思う。エンドロール前のテロップには「決してアメリカ万歳のヒーロー映画を作りたかったわけじゃないよ」というエクスキューズを感じたけど。

『エンド・オブ・ウォッチ』、『プリズナーズ』のような男前ジェイク・ギレンホールが好きな人は必見。