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コヴェナント/約束の救出のMasterYuのレビュー・感想・評価

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)
3.7
2018年、アフガニスタン。
米軍のジョン・キンリー曹長は、タリバンの武器などの保管場所を探し出す部隊を率いていた。
新たにアフガン人通訳のアーメッドを迎え、タリバンの爆発物工場の制圧する作戦に出たが、タリバン兵の逆襲に遭い、ジョンとアーメッド以外全員殺害され、ジョンも瀕死の状態となる。
米軍基地まで100キロ。アーメッドはジョンを運び続けるのだが・・・。

ガイ・リッチーのこれまで観たことのない作風に驚かされる。
どの監督にも得手不得手があるものと認識していますが、ガイ・リッチーはこうした社会派ヒューマンドラマもイケるんだと。
所謂ガイ・リッチーらしさというのはあまり見られず(ジョンが運ばれている時の記憶を辿るシーンは「ぽい」ですが)、大まかに3つのストーリーラインを順にしっかりと描写することで重厚さが出ているように感じました。

ジョンとアーメッドの関係も、セリフ少なめながらも徐々に信頼関係を築き、ベタな友情演出ではなく、ただ受けた恩を返すというシンプルな原理のもとで表現されているところが良い。

「Angel of Death(死の天使)」が来るところは、そりゃまあやっぱりねという定番中の定番パターンなんですけど、その後の輸送機内で静かに肯き合う2人の姿を見れば、そんなところも許せてしまう。

命懸けで通訳になる現地人に、アメリカへ移住するビザを発給する。その約束が果たされない状況が多々あったということが知れた意義もあるし、ガイ・リッチーがそういったことを画面を通して訴えているスタンスが新鮮な作品でした。
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