本作は内容的に前半後半の2部になっている。タリバン兵に囲まれた軍曹とアフガン人通訳が脱出する話、そして現地に取り残された通訳家族を救出する話。それぞれが約束を果たすために命がけの行動に踏み切る。
これは戦場という非現実的な空間で結んだ約束、友情、命の絆の尊さを描写するストーリーだ。特に後半はスロモを多用し感傷的なイメージを浴びせかけてくるが、あまり嫌みに感じなかった。それだけストーリーが魅力的なのだ。ガイ・リッチーのオリジナル脚本でもあるし、相当な意気込みで作りこんだのだろう。
オチに向かって通訳の寡黙な演技と二人が過度に感情を爆発させない演出が光ってた。監督によっては過剰でセンチメンタルな抱擁、握手などを用いそうだが、そんな陳腐な演出はとらなかった。
この手の実話は以前どこかで見かけた気がする。
アフガン人通訳は裏切り者としてタリバンに多数殺害されているが、本作は彼らへの鎮魂歌に思える。良作だ。