django

非常に残念なオトコのdjangoのレビュー・感想・評価

非常に残念なオトコ(2023年製作の映画)
4.2
大好きなコミックアーティスト、エイドリアン・トミネのグラフィックノベルが原作とのことで見た。(原作未読だけど買ったのでこれから読む!)

欧米におけるアジア人の置かれる絶妙な立ち位置とか気まずさを知らないけど、ここ数年でアジア人のアメリカ映画を観られる機会がたくさんあるので少しずつ理解できているかも。主人公は典型的なアジア人コンプレックス拗らせクズで、同じくアジア人コンプレックス拗らせクズの私は痛いし共感するしで泣いた😂 まわりにも沢山いるし本人たちの前では絶対に言えないけど、白人男性とアジア人女性のカップルに対する微妙な感情を私は正直持ってしまっている。偏見だし差別的だって分かってるんだけど。中盤、それについて親友の韓国系女性とその恋人と議論する場面があって、その恋人の意見は正論すぎてぐうの音も出ないんだけど私はベンの気持ちも分かって辛かった。終盤の、(元)恋人のミコとの口論のシーン、ベンの情けなさが際立つけどそもそもミコもめちゃめちゃ狡猾で最低。日本人ってやだわ〜って思った笑 やめて〜😭

自分のクズさを多方面から突きつけられて、何もかも失って、場合によっては死を選んだりしてもおかしくない状況に陥るけど、ちゃんと救いもある。離れ離れになってはしまうけど、ああいう親友が居てくれるだけでだいぶ良い人生だと思う。

タヴィちゃんやソノヤミズノなど、好きな人たちがたくさん出てきて楽しかった。エイドリアントミネご本人も出てくる!

トミネさんの作品は、BEAMSが出してた文芸誌In the Cityの表紙で知ったのだけど、都市で生活する人々の孤独や心の機微を現しているようで素晴らしい。全ての作品がメランコリックというか、セリフとか何もなくても、ああこの人孤独なんだな、と思うような。
django

django