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夜明けのすべてのtsのネタバレレビュー・内容・結末

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃよかった。前半のつらさが、後半に行くにつれてしっかりと緩まっていく、ほどけていくので安心する。それが演技や言葉だけでなく、画面上の光で描かれている。笑えるところもちょいちょいあるのが楽しい。「きみの鳥はうたえる」に引き続き、Hi'Specの音楽も最低限で最大限に優しい。



体調悪くて髪荒れてる藤沢さんがベランダから下をみて、気持ちよさそうに上をみるところ。職場の気温感、ストーブの赤。
栗田社長の弟さんの声〜山添くんの声〜藤沢さんの声、に重なりつつ変わっていくところ。(弟さんの声、齋藤陽一郎だったのか!)

グリーフケアのシーンは過去みたフィクション(プリーズライクミーとか)や、自死した著名人の名前や顔が浮かんできて涙が止まらなくなった。


追記
原作読んだ。細かいとこまっったく違ってびっくりした。翻案力凄すぎ。原作だと最後ちょっとだけ恋愛を予感させる部分を全カットしていたり。全然違うけど原作にしかないいいところも、映画にしかないいいところもどっちもめちゃくちゃある。
映像化するにあたって文字通り「夜明けのすべて」っていうイメージを2時間尺でエンタメ映画として実現させるにはあのプラネタリウムの設定が必要だったってことなのかなとか思った。どこかで松村北斗が言ってたけど、そんなに違っても観賞後感、読後感が同じなのがほんとに凄い。


追記2
2回めでもまた泣いてしまった。勢いで書いたメモを供養

山添くんが栗田科学の上着を着るようになった
プラネタリウムを映さない
スマホ届けたあとのメールの内容を映さない
自転車をあげようと思いついたときの動作と表情よ
洗濯機を回す音
絡まった洗濯バサミをほどくバキ!
雨の闇の中空虚をみつめる山添くん
薬飲んで泣きそうになる山添くんを照らす車のライト
街頭に照らされるフロントガラスの雨粒
移動式プラネタリウムの外を走る車の音が波の音
5年前に亡くなった姉の労災がおりたけど、いまさらなんだっていう
想像する力、創造する力
柴漬けとしぐれ煮
ボール、ボール、が観客側に飛んできて終わる
鏡越し合う視線
お母さん呼んできて
撮ってないよの仕草
やっぱり櫻井健人さんでした、映るの2回だけだけどめちゃよかった、、たぶん山添くんの後輩なんだろうな、、
自転車を押して坂を上る横を追い越し通り過ぎていく電チャの親子
正月、駅でだれかを出迎える両親?の横を通り過ぎていく藤沢さん
みかんや肉まんを食べ歩く藤沢さん
祖父の頃に戦争で焼け野原になって、今の業態に変わった
「短い間でしたが栗田科学で働けて幸せでした。3年間、お世話になりました」「…あったかくなってきたねぇ」
(原作だとそういう描写があるけど)山添くんはこの映画を観に行けるだろうか、映画の、映画館の暴力性、権力
歩道橋を渡るふたりの後ろ姿のシルエット
歩道橋の半透明のガード?磨りガラス?越しに見えるふたつの影、と渡りきったときに現れ夜空を見上げるふたり
夜空に白く文字を映す、これもプラネタリウム
基本穏やかだけど、ときには仕事でぶつかってやりあってるよ、ってのをさりげなく見せて、かつそれを「行ってやんなさいよ〜」と目配せする住川さんの目の優しさとちょっと面倒くささ
藤沢さんは話を穏やかに、朗らかに切り上げるのがうますぎる。山添くんとの玄関先での「じゃあ」とか彼女との2回、とか。(「ではまた〜」朗らかすぎる、、話切り上げるのが下手すぎるので見習いたい。
休憩室に和菓子持ってったあとの2回のおじぎ。
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