とても優しく暖かい映画。冒頭から主人公の語りと優しい音楽に引き込まれた。特に大きな事件や事故を描かなくてもこんなにいい映画になるんだ。
散髪シーン、プリングルズの食べ方、たいやき、上司の涙など好きなシーンが多く、終盤の自転車やエコバッグの使い方も印象的だった。カレンダーで時間経過を表すのも分かりやすくて良かった。
トンネルをくぐって彼について行く、締め切っていたカーテンを開ける、ふたりで歩道橋を越える、自転車で影に入っていく等、物語展開に合わせた映画的な見せ方もスマートでした。やけに夜中の街の夜景が挟まれるけど、プラネタリウムのようでした。
作中でも男女間の友情の話が出てきたけど、ふたりのドライな関係性が良かった。本人が意識していなかっただけで、最初から理解者は近くに居たんだよね。
PMSについての資料が特典で付いてきたり、とても誠実な映画だと思った。原作を読んでまた観に行きたい。